銀行の相続手続きは、相続が発生した後に必ずといってよいほど必要になる実務です。しかし、金融機関ごとに必要書類や様式が異なり、平日の日中に窓口へ足を運ぶ必要もあるため、相続人にとって負担の大きい手続きでもあります。ここでは、行政書士がどこまで支援できるのかを整理します。
行政書士が担う実務の範囲
行政書士は、銀行の相続手続きを円滑に進めるための書類面の実務を担います。具体的には、銀行提出用の相続関係書類の作成と整理、金融機関ごとに異なる必要書類の確認、相続人全員の署名・押印を集める段取りの支援、郵送手続きの進行管理、複数の金融機関を見据えた全体の整理などです。
なお、預貯金の解約・払戻しそのものは行政書士の独占業務ではありません。金融機関によっては相続人ご本人の来店や署名が求められる場合があるため、事前に各行の取扱いを確認したうえで進めます。
行政書士に依頼するメリット
依頼することで、平日に何度も銀行へ行く負担が減り、書類の不備によるやり直しを防ぎやすくなります。また、必要書類の全体像が早い段階で見えるため、相続人の精神的・時間的な負担が軽くなります。特に、相続人が遠方に住んでいる場合や、口座が複数の金融機関にまたがっている場合は、窓口ごとの手続きを並行して整理できる点が大きな利点です。
法定相続情報一覧図の活用
複数の金融機関に口座がある場合は、法定相続情報一覧図の活用が有効です。これは相続人または代理人が作成した一覧図に、法務局の登記官が認証文を付した書類で、戸籍謄本の束の代わりに各種相続手続きで使用できます。交付手数料は無料で、必要な通数の交付を受けることができます。行政書士は資格者代理人として、一覧図の作成と法務局への申出の代理を行えます。同じ戸籍一式を何度も提出する必要がなくなり、複数の金融機関での手続きが効率的に進みます。
対応できない業務
相続人同士の争いの調整や代理交渉は弁護士の業務であり、行政書士は行いません。また、不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士の業務です。行政書士は、争いのない範囲で進められる手続きを、確実に前へ進める役割を担います。
止めずに進めることが重要
銀行の相続手続きは、途中で止まるとそのまま長期間放置されがちです。必要な手続きを整理し、できるところから確実に進めることで、相続人の負担を最小限に抑えられます。「何をすれば終わるのか分からない」という段階でこそ、全体を整理して進める意味があります。
まとめ
銀行の相続手続きは、相続人にとって負担の大きい実務です。行政書士に依頼することで手続きの流れが整理され、相続人は安心して次の段階へ進むことができます。手続きが止まっていると感じたら、早めに専門家へ相談することが解決への近道です。
銀行の相続手続きが進まずお困りの方は、当事務所へご相談ください。当事務所では、戸籍の収集、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成、金融機関へ提出する書類の整理など、相続手続きの実務を支援しています。ただし、相続人間の紛争に関する代理交渉、不動産の相続登記、相続税の申告は業務範囲外となります。初回のご相談は無料です。詳しくはこのページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。