補助金でパソコンを買いたいというご相談は多く寄せられます。ただ、条件を正しく理解していないと、購入した機器が補助対象外になることがあります。2026年度時点の制度をもとに、条件と注意点を整理します。
パソコン購入に使える補助金は限られる
2026年度時点で、パソコンの購入費用を補助対象にできる代表的な国の補助金はデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)です。2026年度から名称が変わりましたが、制度の基本的な枠組みは従来のIT導入補助金を引き継いでいます。中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も申請できます。
ただし、パソコンやタブレットがハードウェアとして補助対象になるのは、インボイス枠のうちインボイス対応類型に限られます。通常枠やセキュリティ対策推進枠では、パソコンは補助対象になりません。
なお、小規模事業者持続化補助金でパソコンを買えないかという相談もありますが、汎用性が高く補助事業以外にも使用できる物品は補助対象外とされており、パソコンはこれに該当します。「販路開拓に必要だから」という理由をつけても認められません。
パソコン単体では申請できない
最も誤解が多いのがこの点です。デジタル化・AI導入補助金では、パソコン単体での申請は認められていません。インボイス制度に対応した会計・受発注・決済などの機能を持つソフトウェアとあわせて導入する場合に限り、その利用環境としてパソコンやタブレットが補助対象に含まれます。
したがって、どのITツールを導入するかを先に決め、その運用に必要な機器としてパソコンを申請するという順序になります。クラウド会計ソフトの導入を検討している時期であれば、あわせて計画を立てやすいでしょう。
補助率と補助上限額
パソコン・タブレットの補助率は購入費用の2分の1以内、補助上限額は10万円です。台数を増やしても上限額は変わらないため、20万円のパソコンを1台購入した場合の補助額は最大10万円となります。レジ・券売機などのハードウェアは上限20万円です。
一方、セットで導入するソフトウェアの補助率はハードウェアより高く設定されています。補助額50万円以下の部分は4分の3(小規模事業者は5分の4)、50万円を超える部分は3分の2以内です。パソコンよりソフトウェアのほうが手厚く支援される設計になっています。
購入のタイミングを間違えない
補助金では、交付決定通知が届く前に発注・契約・支払いを行った費用は補助対象外になります。採択されていても、交付決定前にパソコンを購入していれば、その費用は補助されません。セットで申請したソフトウェアを先に契約してしまった場合も同様です。見積りを取るところまでは問題ありませんが、発注は必ず交付決定後に行ってください。
申請前に必要な準備
申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。事務局は発行までおおむね2週間を見込むよう案内しているため、早めの手続きが欠かせません。
あわせて、情報処理推進機構が実施するSECURITY ACTIONの自己宣言も全枠共通の要件で、一つ星または二つ星を宣言し、交付申請時に宣言済アカウントIDを入力します。
また、申請は事務局に登録されたIT導入支援事業者と共同で行う仕組みで、事業者単独では申請できません。導入したいソフトが登録済みのITツールかどうかも、事前に確認しておく必要があります。
まとめ
補助金でパソコンを購入するには、デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠で、インボイス対応ソフトとセットで申請することが条件です。補助上限は10万円、交付決定後の発注が絶対条件となります。締切は年に数回設けられていますが、予算に達した枠は早期終了もあり得るため、余裕をもった準備が大切です。
補助金の対象になるかどうかの見極めや、申請書類の準備にご不安のある方は、行政書士吉田哲朗事務所へご相談ください。当事務所では、活用できる補助金制度の整理や、申請に必要な書類・事業計画の作成支援を行っております(ITツールの選定や導入作業そのものは、IT導入支援事業者へのご相談となります)。愛知・岐阜・三重を対応エリアとし、初回相談は無料です。このページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。