補助金の採択・不採択は、事業計画書の中身だけで決まるわけではありません。審査結果を左右するもう一つの要素、それが「加点項目」です。計画書の完成度に自信があっても、加点項目を使い切れていないために僅差で不採択となるケースは少なくありません。知っていれば取れたはずの加点を落とすことが、そのまま点数差になってしまうのです。
加点項目とは何か
補助金の審査は、事業計画書の内容を採点したうえで、加点項目・減点項目を加減算して最終的な得点を決める仕組みです。同じ完成度の計画書でも、加点項目を活用しているかどうかで採択ラインを越えられるかが変わることがあります。2026年に「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合して始まった新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、第1回公募の加点項目が17項目にのぼります。項目ごとに取得の難易度も準備期間も異なるため、どれを優先すべきか判断に迷うという声が多く聞かれます。
取り組みやすい加点項目
まず挙げられるのがパートナーシップ構築宣言です。取引先との適正な取引を行う旨を専用ポータルサイトで宣言する制度で、ひな形が用意されているため書類作成の負担は多くありません。ただし、登録から登録企業リストへの公表まではおおむね10日程度かかり、申請が集中する時期にはさらに日数を要します。また、令和8年1月1日改正のひな形による宣言が求められる点にも注意が必要です。
次に事業継続力強化計画の認定です。防災・減災の事前対策をまとめた計画を経済産業大臣が認定する制度で、作成にはやや手間がかかりますが、策定の手引きに沿って準備すれば要件を満たしやすい部類といえます。認定までの標準処理期間は約45日とされており、電子申請にはGビズIDが必要です。
賃上げ・その他の加点項目
最低賃金の引上げに対応した賃上げを実施している事業者向けの加点もあり、賃金台帳などの指定様式の提出が必要です。該当する場合は忘れずに申請しましょう。このほか、健康経営優良法人の認定、くるみん・えるぼしの認定、経営革新計画の承認、DX認定など、対象になり得る項目は多岐にわたります。自社がどの項目に該当するかを事前に洗い出しておくことが重要です。
見落としがちな減点項目
加点だけでなく減点もあります。たとえば、賃上げに関する加点を受けて採択されたにもかかわらず要件を達成できなかった場合、その後の申請で大幅な減点対象となります。また補助金によっては、過去に同種の補助金の交付決定を受けていることが減点や申請対象外の理由となる場合もあります。計画書の内容には自信があったのに想定より点数が伸びなかった、という事態を避けるためにも、加点・減点の両面を把握しておくことが大切です。
準備は公募開始前から
パートナーシップ構築宣言のように複数の補助金で共通する項目もあれば、その補助金独自の加点項目もあります。公募要領を細部まで確認しないと見落としやすく、申請直前に気づいても取得が間に合わないこともあります。取得までに数週間から数か月を要する項目もあるため、公募が始まる前からの準備が有効です。
行政書士に相談するメリット
公募要領に記載された加点項目の洗い出しから、必要書類の準備・提出支援まで、行政書士がサポートできる範囲です。事業計画書そのものは申請者自身が作成することが求められますが、使える加点項目を漏れなく活用することも、採択率を高める重要な一手です。
補助金の申請をご検討中で、どの加点項目が使えるか分からないという方はご相談ください。行政書士吉田哲朗事務所では、公募要領の読み解きと加点項目の洗い出し、パートナーシップ構築宣言や事業継続力強化計画などの申請支援に対応しています。愛知・岐阜・三重エリアの方は、このページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。