2026年9月15日

建設業許可における営業所の考え方

建設業許可コラム 第19号

 建設業許可を取得し、維持していくうえで「営業所」の整理は避けて通れません。実態は営業所なのに届出をしていない、といった状態は、変更届出の漏れや技術者配置の不備として是正指導の対象になることがあります。ここでは建設業法上の営業所の定義と、実務で押さえるべき点を整理します。

建設業法上の営業所とは

 建設業法第3条第1項および建設業法施行令第1条により、営業所とは本店または支店、もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。この「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」とは、建設業許可事務ガイドラインにおいて、請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結など、契約締結に係る実体的な行為を行う事務所とされています。登記の有無や事務所の規模ではなく、契約締結に関与する実態が継続してあるかどうかが判断の基準です。

 注意したいのは、本店または支店については、自ら契約を締結していなくても、他の営業所に対し請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与している場合は営業所に該当するという点です。また、契約書の名義人がその事務所を代表する者であるかどうかは問われません。本社名義で契約していても、実体的な行為を行う拠点があれば営業所と判断されます。

営業所に該当しない場所

 一方、工事現場の仮設事務所、現場管理のみを行う詰所、資材置場や倉庫、契約に関する権限のない連絡拠点などは、通常は営業所に該当しません。建設業以外の事業のみを行う事務所や、人事・経理などの事務作業だけを行う事務所も同様です。ただし名称にかかわらず、実態として契約に係る行為が行われていれば、営業所と判断される可能性があります。

自宅や小規模な事務所の場合

 自宅や小規模な事務所であっても、請負契約の締結等を常時行っていれば営業所に該当します。その場合、電話や机、各種事務台帳などを備えた事務スペースがあること、経営業務の管理責任者または令第3条に規定する使用人が常勤していること、後述する技術者が置かれていることが求められます。居住スペースと明確に区分されているかを確認されることもあります。

営業所と営業所技術者等の関係

 建設業許可では、営業所ごとに技術者を専任で置くことが必要です。この技術者は、令和6年12月13日施行の改正建設業法により、従来の「専任技術者」から「営業所技術者」(特定建設業許可では「特定営業所技術者」、総称して「営業所技術者等」)へと名称が変更されました。呼称の変更が中心で要件自体に大きな変更はありませんが、営業所ごとに置くという考え方はより明確になっています。実態は営業所なのに届け出ていない、営業所が複数あるのに技術者が足りないといった状態は、許可要件を満たさないことになります。

営業所の整理が許可の維持につながる

 営業所の該当性は、外形ではなく実態で判断されます。拠点を増やすとき、移転するときは、変更届出の要否とあわせて早めに確認しておくことをおすすめします。

 営業所に該当するかどうかの判断、営業所の新設・移転に伴う変更届出、営業所技術者等の配置についてご不明な点がありましたら、このページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。当事務所では、建設業許可の新規申請から各種変更届出、決算変更届まで一貫してお手伝いしています。愛知・岐阜・三重を中心に対応しており、初回のご相談は無料です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。