2026年9月24日

建設業許可が必要になる基準と無許可営業のリスク

建設業許可コラム 第21号

建設業許可制度の目的

 建設工事は請負金額が高額になりやすく、完成までに長い期間を要します。施工不良や契約上のトラブルが起きれば、発注者にも施工業者にも大きな損失が生じます。そこで建設業法は、一定の基準を満たした事業者だけが一定規模以上の工事を請け負える仕組みとして、建設業許可制度を設けています。制度の目的は、適正な施工の確保、発注者の保護、建設業の健全な発達にあります。

許可が不要な「軽微な建設工事」

 建設業を営もうとする者は原則として許可が必要ですが、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は例外とされています(建設業法第3条第1項ただし書、同法施行令第1条の2)。請負代金は消費税込みで判断します。

  • 建築一式工事……1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事(延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するもの)
  • 建築一式工事以外の工事……1件の請負代金が500万円未満

 この基準を超える工事を請け負う場合には、建設業許可が必要です。なお、令和7年の改正で特定建設業許可が必要となる下請代金の基準は引き上げられましたが、軽微な建設工事の金額基準は据え置かれています。

請負代金の数え方と分割契約

 注文者が材料を支給する場合は、その材料の市場価格や運送賃相当額も加えて金額を判断します。また、「契約を分ければ500万円未満に収まるので許可は不要」という考え方は誤りです。同一の工事を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金を合計した額で判断されます。正当な理由のない分割は、許可不要とは認められません。

無許可営業のリスク

 許可が必要な工事を無許可で請け負った場合は建設業法違反となり、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象となり得ます(同法第47条)。情状により両方が科されることもあり、法人にはあわせて1億円以下の罰金が科される場合があります。刑事罰にとどまらず、元請や発注者からの信用低下、取引の停止、受注機会の喪失など、事業の継続に直結する不利益にもつながります。

許可を受けるための主な要件

 建設業許可を受けるには、経営業務を適正に行う体制があること、営業所ごとに専任技術者を置いていること、請負契約に関して誠実性があること、財産的基礎または金銭的信用(一般建設業では自己資本500万円以上など)を有すること、欠格要件に該当しないことが求められます。要件の確認や証明資料の収集には時間がかかるため、金額の大きい工事の受注が見込まれる段階で準備を始めておくと安心です。

許可は信用の基盤

 建設業許可は、事業を制限するための制度ではありません。一定の基準を満たしていることを公的に示す「信用の証明」でもあります。許可が必要かどうかは工事の種類と請負金額で判断します。判断に迷う場合は、契約を結ぶ前に確認しておくことが重要です。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。