2026年9月30日

産業廃棄物収集運搬業許可における政令使用人の証明とは何か

産業廃棄物収集運搬業許可コラム 第22号

 産業廃棄物収集運搬業許可の申請では、申請者や役員だけでなく、「政令使用人」についても審査が行われます。支店や営業所を設けている事業者の場合、その責任者が政令使用人に該当するかどうかを事前に整理しておくことが、スムーズな申請の第一歩です。

政令使用人とは

 政令使用人とは、廃棄物処理法施行令第6条の10に定める使用人のことです。具体的には、本店・支店の代表者や、継続的に業務を行う施設で収集運搬業などに係る契約を締結する権限を持つ者を置く場所の代表者が該当します。支店長や営業所長が典型例です。法人に限らず、個人事業主が使用人を置いている場合も対象になります。

 判断は肩書きではなく実態で行われます。

  • 本店・支店などの事業所を代表する立場にあるか
  • 収集運搬業に係る契約を締結する権限を持っているか
  • その事業所の業務を実質的に取り仕切っているか

 「所長」などの肩書きがなくても、実際に契約締結の権限を任されていれば政令使用人として扱われる可能性があります。なお、愛知県では収集運搬業の場合、県内での収集運搬業に係る契約を締結する権限を有する者を政令使用人として確認する運用が示されています。

なぜ証明が必要なのか

 産業廃棄物処理業は、不法投棄を防ぎ生活環境を守るうえで公共性の高い事業です。そのため、事業所で実際に契約を結ぶ立場の人についても、役員と同様に欠格要件に該当しないかが確認されます。政令使用人が欠格要件に該当すると許可は受けられず、許可取得後であれば取消しの対象となります。

 主な欠格要件には次のようなものがあります。

  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 廃棄物処理法などの環境保全関係法令や一定の刑法犯により罰金刑に処せられ、5年を経過しない者
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 心身の故障により業務を適切に行うことができない者として環境省令で定める者
  • 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 以前は「成年被後見人・被保佐人」が一律に欠格とされていましたが、令和元年の法改正により、心身の状況を個別に判断する規定へ改められています。

提出書類の例

 政令使用人がいる場合は、申請先の自治体が指定する書類を提出します。自治体によって、次のような書類が求められます。

  • 住民票の写し(本籍記載・マイナンバー記載なしのもの)
  • 成年被後見人等の登記されていないことの証明書
  • 本籍地の市区町村が発行する身分証明書
  • 政令使用人であることを示す書面(自治体の専用様式、辞令など)

 提出書類や様式は自治体ごとに運用が異なり、証明書類には「申請日前3か月以内に取得したもの」といった有効期限が設けられていることもあります。必ず申請先自治体の手引き・様式を確認してください。

許可取得後の変更にも注意

 政令使用人の確認は、新規申請や更新のときだけではありません。支店長の交代や営業所の新設などで政令使用人が変わった場合は、変更届の提出が必要です。届出期限は原則として変更の日から10日以内(登記事項証明書の添付が必要な場合は30日以内)とされています。人事異動の際に届出を忘れやすいため、社内で手続きの担当者を決めておくと安心です。

まとめ

 政令使用人の証明は、単なる書類提出ではなく、事業所の管理体制が適正であるかを確認する重要な審査事項です。誰がどの事業所で契約締結の権限を持っているのかを整理し、実態に即した形で申請準備を進めることが、円滑な許可取得につながります。

 「支店長が政令使用人に当たるのか分からない」「必要書類をそろえる時間がない」という方は、お気軽にご相談ください。行政書士吉田哲朗事務所では、組織体制の確認から政令使用人の書類準備、許可申請・変更届の作成までサポートいたします。愛知・岐阜・三重に対応しており、初回相談は無料です。このページ内のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。