2026年8月14日

石綿含有産業廃棄物とは?定義と判断基準をわかりやすく解説

この記事では、石綿(アスベスト)を含む廃棄物のうち「石綿含有産業廃棄物」に該当するものは何か、その判断の考え方と実務上の取扱いを整理します。読み終える頃には、自社が扱う廃棄物がどちらの区分に入るのか、一次的な見当をつけられる状態になります。

石綿を含む廃棄物は飛散性で二つに分かれる

廃棄物処理法では、石綿を含む廃棄物を飛散性の違いによって区分しています。吹付け石綿や、石綿含有の保温材・断熱材・耐火被覆材を除去したものなど飛散性の高いものは「廃石綿等」として特別管理産業廃棄物に当たり、より厳しい基準が適用されます。これに対して飛散性の低いものが「石綿含有産業廃棄物」です。

石綿含有産業廃棄物は、廃棄物処理法施行規則第7条の2の3で「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた廃石綿等以外の産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの」と定義されています。単に石綿を含んでいれば該当するのではなく、解体・改修等の工事に伴って生じたものであることが要件となる点にご注意ください。

該当する代表例

実務で多いのは、解体・改修工事で撤去された石綿含有成形板です。スレート屋根材、外壁材、内装ボード、ビニル床タイルなどが典型で、廃プラスチック類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類として排出されます。石綿含有仕上塗材は、性状によって汚泥として取り扱われる場合があります。

けい酸カルシウム板は特に注意が必要です。第1種は成形板として石綿含有産業廃棄物に当たりますが、飛散性が比較的高いおそれがあるとされ、追加の飛散防止措置が求められます。一方、保温材として使われていたものを除去した場合は廃石綿等となり、区分そのものが変わります。

判断は含有率と事前調査に基づいて行う

該当するかどうかは石綿含有率で判断し、0.1重量%を超えるものが石綿含有産業廃棄物です。判断の根拠は設計図書、メーカー資料、分析結果であり、外観だけで結論を出すことは避けるべきです。

あわせて、2023年10月以降、建築物の解体・改修工事の事前調査は有資格者が行うことが義務づけられ、一定規模以上の工事では調査結果の報告も必要とされています。廃棄物の区分は、この事前調査の結果と結びついて決まります。

取扱いで押さえておくべき基準

収集運搬では、破砕することのない方法により、他の物と混合しないよう梱包する等の措置を講じます。積込みの際にやむを得ない場合に限り、十分に湿潤化したうえで必要最小限度の破砕・切断が認められています。また、委託契約書やマニフェストには石綿含有産業廃棄物が含まれる旨の記載が必要で、収集運搬業の許可証にもその旨の記載がなければ受託できません。中間処理は、原則として溶融または無害化処理の方法に限られます。

まとめ

石綿含有産業廃棄物は「解体・改修等に伴って生じた、飛散性の低い石綿含有廃棄物」として整理される区分です。判断を誤ると、許可の範囲外の運搬や不適正処理として廃棄物処理法違反につながるおそれがあります。自社の許可品目と現場から出る廃棄物の対応関係を、あらためてご確認ください。

 石綿含有産業廃棄物の取扱いを含めた産業廃棄物収集運搬業の許可について、新規取得や許可品目の追加をお考えの方は、お早めにご相談ください。当事務所では、取り扱う品目の整理から容器・車両の要件確認、申請書類の作成・提出までを一貫してお引き受けしております。愛知・岐阜・三重の3県を中心に対応しており、初回のご相談は無料です。お問い合わせフォームよりご連絡ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。