2026年8月24日

人身事故はどう証明するのか

 交通事故に遭ったとき、「これは人身事故として扱われるのか」「どうやって人身事故だと証明するのか」と迷われる方は少なくありません。人身事故かどうかは、自賠責保険の請求や損害賠償の場面で大きな意味を持ちます。ここでは、人身事故をどのように証明するのか、実務の流れに沿って整理します。

人身事故とは何か

 人身事故とは、交通事故によって人がケガをした事故をいいます。打撲やむちうちのような比較的軽いケガでも、身体に被害が生じている以上は人身事故にあたります。ただし手続の場面で問われるのは、ケガをした事実を客観的な資料で確認できるかという点です。「痛みがある」「違和感がある」という本人の訴えだけでは、人身事故としての扱いは始まりません。

証明の中心となる医師の診断書

 人身事故の証明でまず必要になるのが、医師が作成する診断書です。事故日、負傷部位、傷病名、治療期間の見込みが記載されたものを取得し、事故を取り扱った警察署へ提出します。警察はこれをもとに、実況見分などを行ったうえで人身事故として処理します。診断書を出せば自動的に切り替わるというものではない点に注意してください。

交通事故証明書の記載を確認する

 交通事故証明書は、警察ではなく自動車安全運転センターが交付する書面です。この証明書には「照合記録の種別」という欄があり、「人身事故」と「物件事故」のいずれかが記載されます。ここが人身事故となっていることが、人身事故であることを客観的に示す資料になります。

物件事故のまま放置しない

 事故直後は痛みがなく、物件事故として届け出ているケースは珍しくありません。この場合も、医療機関を受診して診断書を取得し、警察に提出すれば人身事故への切り替えは可能です。法律上の明確な期限はありませんが、時間が経つほど事故とケガの因果関係を疑われやすくなります。事故から一週間から十日程度を目安に受診しておくと安心です。

切り替えができなかった場合

 切り替えが認められなかったときでも、自賠責保険の請求を諦める必要はありません。人身事故証明書入手不能理由書を提出し、人身事故扱いの証明書を取得できない事情を説明することで、物件事故扱いのままでも治療費や慰謝料を請求できる取扱いとなっています。ただし記載した理由がその後の交渉に影響することもあるため、作成は慎重に行ってください。

実務上の注意点

 痛みが軽くても必ず受診すること、受診と事故日の間隔を空けないこと、物件事故扱いのまま放置しないこと。この三点を押さえるだけでも、その後の手続は進めやすくなります。切り替えを行った際は、ご自身の保険会社と相手方の保険会社の双方へ連絡しておくとよいでしょう。

まとめ

 人身事故の証明は、感覚や主張ではなく、診断書と交通事故証明書という書面で行います。事故直後の初動対応が、その後の手続すべてに影響します。

 人身事故の証明や自賠責保険の請求では、書類の内容と提出の順序が結果を大きく左右します。行政書士吉田哲朗事務所では、被害者請求に必要な書類の作成や、診断書・交通事故証明書などの資料整理をお手伝いしています(示談交渉の代理は弁護士の業務となるため、当事務所では承っておりません)。愛知・岐阜・三重を中心に対応し、初回のご相談は無料です。お困りの際は、このページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。