法令上の「固形状又は液状」という区分
廃棄物処理法第2条第1項は、廃棄物を「固形状又は液状のもの」と定めています。これは気体状のものを廃棄物から除くための区分であり、その物が廃棄物に該当するかどうかを判断するための、いわば入口の規定です。
申請書で「性状」を記載させる理由
産業廃棄物収集運搬業許可申請書に添付する事業計画の概要には、取り扱う産業廃棄物の種類や運搬量とあわせて性状を記載する欄があります。許可権者は、実際にどのような状態の廃棄物を扱うのかをここで確認します。もっとも、この欄自体は「固形状」「液状」の記載で足りるとしている自治体も少なくありません。性状の記載は、運搬中の飛散や流出を防ぐ措置が講じられているかを判断するための、前提情報という位置付けです。
具体的な説明は別の欄で求められる
飛散や流出のおそれ、使用する容器や積載方法といった内容は、性状欄ではなく運搬施設の概要や環境保全措置の概要など、別の欄で説明する構成になっています。たとえば、粉じんが生じるおそれのあるものであればシート養生や密閉容器、含水した汚泥であれば専用の容器や車両といったように、廃棄物の状態と運搬方法が結び付いているかが確認されます。「形状をどう書くか」だけを考えるのではなく、事業計画全体として運搬の実態が読み取れるかどうかが重要です。
全国共通の記載事項もある
記載方法には許可権者ごとの運用差がありますが、すべてが自治体任せというわけではありません。たとえば石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物を含むかどうかは、全国共通で記載が求められます。これらを含む場合は、許可証にもその旨が記載されます。
種類は法令上の区分で記載する
種類欄は、政令で定める産業廃棄物の区分に沿って記載します。実務でよく使う「建設混合廃棄物」「コンクリートがら」といった呼称は法令上の種類ではないため、がれき類、木くず、汚泥などの区分に置き換えて整理する必要があります。
書きすぎない判断も必要
将来扱うかもしれない廃棄物まで広げて記載すると、その内容に見合う車両や容器、管理体制との整合性を求められることがあります。現時点で予定や準備のないものまで盛り込むと、かえって審査に時間を要する場合があります。反対に、実際に扱う予定のあるものを外してしまうと、後から事業範囲の変更許可が必要になることもあります。
まとめ
迷ったときは、実際にどのような状態で積み込み、どのように運ぶのかをそのまま言葉にすることが、最も実務に沿った整理につながります。そのうえで、申請先の許可権者が公表する手引きや窓口の指導を確認することをおすすめします。
産業廃棄物収集運搬業許可の申請書類は、記載の具体性や整合性について許可権者ごとに運用が分かれる分野です。行政書士吉田哲朗事務所では、事業計画の概要の作成、産業廃棄物の種類・性状の整理、車両や容器に関する添付書類の準備など、申請手続き全般をお手伝いしています。なお、記載内容の最終的な可否は各許可権者の判断によりますので、事前相談への同席や窓口照会もあわせて対応いたします。愛知・岐阜・三重を中心にご依頼を承っており、初回のご相談は無料です。ご不明な点は、このページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にお寄せください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。