2026年6月23日

産業廃棄物収集運搬業の車両|リース契約とレンタル契約、何が違うのか

 産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、収集運搬に使用する車両を少なくとも1台以上、申請先の自治体ごとに登録する必要があります。

 この「登録車両」について、よくご相談いただくのが「リース車でもよいか」「レンタル車でもよいか」という点です。結論から言うと、リース契約とレンタル契約では、許可審査における取り扱いが大きく異なります。

■ 許可審査で最重要視されるのは「車検証の使用者欄」

 産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、登録する車両の車検証を添付します。行政庁が確認するのは、車検証の「使用者」欄に申請者(会社名または個人名)が記載されているかどうかです。

 この点が、リース契約とレンタル契約で決定的に異なります。

■ リース契約の場合

 ファイナンスリース(長期リース)では、車検証の「所有者」欄にリース会社の名称が記載されますが、「使用者」欄には申請者(リース利用者)の名称が記載されます。そのため、リース車両は多くの自治体で使用権原が認められており、申請上の支障はありません。

 リース期間についての下限は法令上特に定められていませんが、リース期間が満了した場合や契約内容が変更になった場合は、変更の日から10日以内(法人で登記事項証明書の添付が必要な場合は30日以内)に変更届を提出する必要があります(廃棄物処理法施行規則第10条の10)。

■ レンタル契約(賃貸借)の場合

 短期・中期のレンタル契約(賃貸借契約)では、車検証の使用者欄はレンタル会社のままであるため、申請者への名義が記載されない状態になります。そのため、車検証上、申請者が使用者として登録されていないケースが多く、取り扱いは都道府県ごとに大きく異なります。

・レンタル車両を認めない自治体(例:東京都)
 車検証の使用者欄が申請者と一致していない借受車両は、登録できません。

・条件付きで認める自治体(例:埼玉県・神奈川県等)
 賃貸借契約書や使用承諾書(「廃棄物処理業務に使用することを承諾する」旨の記載が必要)を添付することで認められる場合があります。都道府県によっては書式が指定されていることもあるため、事前確認が必要です。

 全国産業廃棄物連合会の調査(平成27年)によれば、レンタル車両を施設として認める自治体は全体の約88%でしたが、残る約12%は認めていませんでした。複数の都道府県で許可を取得する場合は、すべての申請先でレンタル車両が認められるかどうかの確認が不可欠です。

■ 注意が必要なケース

 以下のケースでは、契約書を整備していても許可要件を満たさないことがあります。

・知人・親族・関連会社から借りた車両(車検証の使用者欄が変わらない場合)
・法人申請において、代表者個人名義の車両を法人名義に変更せずに使用する場合
・他社が貨物運送事業(緑ナンバー)に使用している車両のレンタル(貸し借り自体が原則禁止)

■ 実務上のポイント

 許可後に車両を入れ替えた場合や、リース期間が満了して契約内容が変わった場合は、速やかに変更届を提出してください。また、登録車両には許可番号・会社名等の表示義務がありますが、レンタル車両では車体への直接貼り付けが制限されていることもあるため、表示方法も申請前に確認しておきましょう。

■ まとめ

 リース契約とレンタル契約の許可審査における違いを整理すると、以下のとおりです。

 リース契約:車検証の使用者欄に申請者名義が記載されるため、全国の多くの自治体で原則として登録が可能です。安定性と管理のしやすさから、実務でも広く利用されています。

 レンタル契約(賃貸借):自治体によって取り扱いが異なります。認める自治体でも使用承諾書等の追加書類が必要です。複数の自治体で許可を取得する場合は、すべての申請先で要件を満たせるかどうかの確認が不可欠です。

 車両の確保方法については、申請前に必ず申請先の自治体窓口に確認し、要件を満たした状態で申請に臨むことが重要です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。