「コンサルに任せれば大丈夫」は本当か
補助金の申請支援をめぐっては、「コンサルに任せれば大丈夫」「書類作成くらいなら資格はいらない」といった情報を目にすることがあります。しかし、補助金申請は誰でも代理できる業務ではありません。2026年1月に施行された改正行政書士法により、この点はこれまで以上に明確になりました。
行政書士の業務範囲と補助金申請
補助金申請では、申請書や事業計画書などの書類を作成し、行政(官公署)へ提出します。このような官公署に提出する書類の作成および提出手続の代理は、行政書士法に基づく行政書士の業務です。申請書類の作成、事業計画書の作成、電子申請を含む提出手続の代理、行政庁とのやり取りを含む申請手続全体を、報酬を得て代理で行えるのは、行政書士等、法令で認められた資格者に限られます。
2026年施行の法改正で明確になったこと
2025年6月に公布された改正行政書士法は、2026年1月1日から施行されています。この改正では、行政書士または行政書士法人でない者による業務の制限規定に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加えられました。これにより、コンサルティング料や手数料といった名目であっても、実質的に書類作成の対価であれば規制の対象になることが条文上明確になっています。違反した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があり、行為者本人だけでなく所属法人も罰則の対象となる両罰規定もあわせて整備されました。
「jGrantsで代理申請できる」こととの違い
補助金の電子申請システム(jGrants)には、委任設定により代理申請ができる仕組みがあります。ただし、システム上できることと、法律上してよいことは別です。無資格の業者が、実質的に申請書を作成し、内容を決めて提出操作まで行い、それに対して報酬を受け取る場合、行政書士法との関係で問題となる可能性があります。
コンサルや業者が関われる範囲
補助金コンサルや支援業者がすべて違法というわけではありません。制度の一般的な説明、事業内容の整理に関する助言、経営面からのアドバイスといった助言・サポートの範囲にとどまるのであれば問題ありません。しかし、申請書類そのものを作成し、提出まで実質的に代行する行為は、資格のない者が業として行うことはできません。
なぜ依頼先選びが重要なのか
補助金申請は、単に文章を書けばよいものではありません。制度趣旨に合っているか、行政が確認するポイントを押さえているか、不備や差戻しを前提にしない構成になっているか。こうした点は、官公署提出書類を日常的に扱う専門家かどうかで差が出ます。安心して補助金申請を進めるためには、「誰が代理できるのか」という基本を押さえたうえで、適切な専門家に依頼することが重要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。