2026年8月23日

AI任せの補助事業計画では採択されない理由

補助金の申請書類を生成AIで作成する事業者が増えています。手軽に「それらしい」文章が整うため、そのまま提出してしまうケースも少なくありません。しかし現場では「AIで作成したが不採択だった」という声が絶えず、支援機関の担当者からも懸念が示されています。なぜAI任せの事業計画書は採択に結びつきにくいのか、その理由を整理します。

審査員は「自社の言葉」を読んでいる

補助金の審査は、多くの制度で外部有識者を含む審査員が担当します。審査員が確認するのは、申請者が本当にこの事業を理解しているかという点です。事業の必然性・独自性・実現可能性が、自社の実態に根ざした言葉で書かれているかどうかが評価を左右します。

生成AIは過去の事例をもとに整った文章を出力しますが、どの事業者にも当てはまりそうな汎用的な内容になりがちです。似通った申請書を複数の審査員が同時期に目にすれば、独自性がなく印象に残らない提案として、評価を落とす一因になります。

自社の強みと数値はAIが知らない

事業計画書で特に重視されるのが、数値の根拠と自社固有の強みです。「売上を伸ばす」ではなく「市内の同業他社にない加工技術を活かし、月◯件の受注増を見込む」という水準の具体性が求められます。

生成AIは、自社の過去の受注実績・顧客の声・現場で培ってきたノウハウを、入力しない限り反映できません。最新の公募要領で示された評価軸も正確には把握していないため、的外れな記述が混入するおそれがあります。数字の裏付けが薄く、実態と離れていると判断された計画書は、熱意があっても採択には届きません。

AIは「下書きツール」にとどめる

生成AIは、文章の骨格づくりや表現の整理には有効です。ただし、そこに肉付けするのは経営者自身の言葉と実態でなければなりません。現場の具体的な課題、競合との差別化、売上や雇用の見通しといった要素は、ヒアリングと思考の積み重ねで初めて説得力を持ちます。AIの出力はあくまで下書きとして扱い、自社固有の内容で上書きすることが採択への近道です。

行政書士に相談するメリット

2025年6月に成立した改正行政書士法が2026年1月1日から施行され、官公署に提出する補助金申請書類の作成・提出を、名目を問わず報酬を得て行う業務は行政書士の独占業務であることが明確化されました。今回新たに独占業務になったのではなく、従来からの取扱いが法律上明文化されたものです。

行政書士には、公募要領に沿った構成の確認、数値根拠の整理、申請区分の選定といった実務面の支援が可能です。ただし事業の中身を決めるのは経営者自身であり、採択を保証するものではありません。AI任せで不採択を重ねる前に、一度専門家に相談することを検討してください。

補助金の活用をお考えの方は、行政書士吉田哲朗事務所にご相談ください。公募要領の読み解きから事業計画書の構成整理、申請書類の作成・提出までお手伝いいたします(事業内容そのものを決定する経営判断、および厚生労働省系の助成金申請は対象外です)。愛知・岐阜・三重を中心にご相談を承っております。初回のご相談は無料ですので、このページ内のお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。