2026年9月19日

実務経験10年で営業所技術者になるための証明の考え方

建設業許可コラム 第20号

 建設業許可の審査で特に重要なのが、営業所ごとに置く技術者の要件です。令和6年12月13日施行の改正建設業法により、従来の専任技術者は、一般建設業許可では営業所技術者、特定建設業許可では特定営業所技術者と名称が改められ、両者を総称して営業所技術者等と呼びます。

 国家資格がない場合でも、一般建設業許可であれば、申請する業種に関する実務経験が10年以上あることを示して要件を満たす方法があります。ただし実務では、経験があること自体よりも、それをどう証明するかが問題になります。

10年分を集める前に短縮ルートの確認を

 令和5年7月1日施行の省令改正により、技術検定の第一次検定合格者は指定学科の卒業者と同等に扱われることになりました。1級合格後3年、2級合格後5年の実務経験で要件を満たせる場合があります(指定建設業と電気通信工事業を除く)。指定学科の卒業歴がある方も同様に年数が短縮されます。10年分の資料を集め始める前に、該当しないかを確認する価値があります。

証明方法は全国一律ではない

 建設業法の基本的な考え方は全国共通ですが、実務経験の裏付けとしてどの資料をどの期間分提出するかは、許可行政庁ごとの運用によって異なります。他の地域で通った方法が、そのまま別の地域でも通用するとは限りません。

 運用が分かれやすいのは、次のような点です。

  • 請負契約書、注文書、請求書などをどこまで求めるか
  • 工事実績を年単位で確認するか、期間の連続性まで細かく見るか
  • 個人事業主だった期間を確定申告書等でどこまで補えるか
  • 過去の勤務先から証明が得られない場合の取扱い

 愛知県では、実務経験証明書に申請業種について年1件以上の工事内容を記載する形が基本です。工事名から業種が判断されるため、記載内容と裏付け資料の整合が重要になります。

 なお、在職証明書など自社で作成した書類だけで完結できるとは限りません。実務経験証明書は証明者による申告であり、多くの窓口では工事の裏付け資料とあわせて確認されます。不明確な点があれば、追加資料を求められることもあります。

運用が異なっても共通して見られる点

  • 申請業種に対応する内容の実務経験であること
  • 10年以上の期間が合理的につながっていること
  • その期間、証明者のもとに在籍していた事実を確認できること
  • 提出資料どうしに矛盾がないこと

 在籍年数が長い、現場に出ていたという説明だけでは足りません。また実務経験は業種ごとに数えるのが原則で、同じ期間を複数業種に重ねて使うことは原則としてできません。

最も重要なのは事前の運用確認

 実務経験による証明で結果を左右するのは、書類を集め始める前に提出先の運用方針を確認しておくことです。確認を欠いたまま準備を進めると、差し戻しや追加資料の対応が発生しやすくなります。経験の有無ではなく、説明の組み立て方が審査のポイントになります。

 実務経験による営業所技術者の証明でお困りの際は、このページ内のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。当事務所では、要件の該当性の整理から、実務経験証明書の作成、裏付け資料の組み立て、許可行政庁への事前確認までを一貫してお手伝いしています。対応エリアは愛知・岐阜・三重で、初回のご相談は無料です。お問い合わせフォーム

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。