2026年8月16日

相続人調査とは

相続人調査とは何か

相続が発生したとき、最初に行うべき手続きの一つが相続人調査です。これは「誰が法律上の相続人にあたるのか」を、戸籍をもとに正確に確定する作業を指します。遺産分割協議、預貯金の解約、不動産の名義変更など、相続にまつわる手続きはすべて、相続人が確定していることを前提としています。

なぜ相続人調査が必要なのか

思い込みや記憶だけでは、相続人を正確に把握できないためです。実務では、過去に認知された子がいた、前の婚姻関係との間に子がいた、養子縁組がされていた、長年連絡を取っていない親族が戸籍上に存在した、といったケースが珍しくありません。いずれも戸籍を辿らなければ判明しない事実です。

相続人を一人でも欠いたまま行った遺産分割協議は、原則として無効となります。やり直しには時間も労力もかかるため、最初の段階で正確に確定しておくことが重要です。

相続人調査で行うこと

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取得する
  • 転籍や改製を含めて戸籍の記載を読み解く
  • 相続関係を整理し、相続人を確定する
  • 相続関係説明図を作成する

古い戸籍ほど手書きや旧字体で記載されており、慣れていないと誰が相続人にあたるのか判断できないことも多くあります。

戸籍の広域交付制度と注意点

2024年3月1日の改正戸籍法の施行により、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付制度」が始まりました。被相続人の出生から死亡までの戸籍を、最寄りの窓口でまとめて取得しやすくなっています。

ただし、請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限られ、兄弟姉妹や甥姪の戸籍は対象外です。郵送請求や代理人による請求、行政書士の職務上請求では利用できず、コンピュータ化されていない一部の戸籍も取得できません。従来の請求方法と併用する場面は、今も多く残っています。

相続人調査を怠るとどうなるか

相続人の確定が曖昧なまま進めると、金融機関での手続きが止まる、不動産の名義変更ができない、後から新たな相続人が判明してやり直しになる、といった問題が起こり得ます。さらに2024年4月1日からは相続登記が義務化され、原則として不動産の取得を知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。手続きの遅れが、そのままリスクにつながる点にも注意が必要です。

専門家に依頼する意味

相続人調査は、単なる戸籍集めではありません。集めた戸籍を読み解き、法的に相続人といえるかどうかを判断する作業です。専門家に依頼することで、戸籍の取り漏れを防ぎ、相続関係を正確に整理し、その後の遺産分割協議書の作成まで見据えた対応ができます。相続登記など他士業の業務が必要な場合も、連携して進めることが可能です。

相続は、後から修正することが難しい分野です。最初の相続人調査を丁寧に行うことが、円満な相続への第一歩になります。

相続人調査のご相談はお気軽に

行政書士吉田哲朗事務所では、愛知・岐阜・三重を中心に、戸籍の収集から相続関係説明図・遺産分割協議書の作成までをサポートしています。「戸籍が読めない」「相続人が誰になるのか分からない」という段階からで構いません。下記よりお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。