2026年6月16日

産廃収集運搬業の許可が必要だと気づいたら――まず確認すべき3つのこと

 「うちの会社、産廃の収集運搬業許可が必要かもしれない」と気づいたとき、次に何をすればいいのか迷う方は少なくありません。いきなり役所に電話する前に、まず自社の状況をしっかり整理しておくことで、その後の手続きをずっとスムーズに進めることができます。この記事では、許可取得に向けて最初にすべき3つの確認事項と、確認後の最初のアクションを解説します。

① 本当に許可が必要な行為かを確認する

 産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になるのは、他人の産業廃棄物を業として収集・運搬する場合です(廃棄物処理法第14条第1項)。一方、自社の事業活動で生じた廃棄物を自社車両で自ら運搬する「自社運搬」は、原則として許可は不要とされています。

 ただし、注意が必要なケースもあります。下請業者として元請の廃棄物を運ぶ場合や、関係会社の廃棄物を運搬する場合は「他人の廃棄物の運搬」に該当し、許可が必要になることがあります。また、運ぶ廃棄物の種類(品目)によっても許可の範囲が変わります。まずは「誰の廃棄物を、誰が運ぶのか」「どんな品目を扱うのか」を具体的に書き出して整理してみてください。

② 欠格要件に該当しないかを確認する

 許可申請を検討する段階で見落としがちなのが、欠格要件の確認です(法第14条第5項第2号、同号イにおいて準用する法第7条第5項第4号)。申請者本人はもちろん、法人の場合は役員全員について確認が必要になります。

 欠格要件の主な内容は次のとおりです。拘禁刑以上の刑に処せられ執行終了から5年を経過しない者(令和7年6月の刑法改正により「禁錮」は「拘禁刑」に統一されています)、廃棄物処理法・浄化槽法等の環境関係法令違反や一定の刑法犯(傷害罪等)で罰金刑に処せられ5年を経過しない者、処理業の許可を取り消されてから5年を経過しない者、暴力団員等に該当する者などが当たります。役員が複数いる法人では、全員分の確認が申請準備の第一関門となりますので、早めに把握しておきましょう。

③ どこに申請するかを確認する

 産廃収集運搬業の許可は、廃棄物を積み込む地域の都道府県知事等に申請します(法第14条第1項)。複数の都道府県にまたがって業務を行う場合は、それぞれの都道府県に個別に申請が必要です。「どこで積み込むか」が申請先を決める基本的な判断基準となります。

 また、政令指定都市や中核市では、積替え保管を含む収集運搬業の許可について市長が権限を持つ場合があります。申請先を誤ると書類一式を作り直すことになりかねないため、業務エリアと申請先の組み合わせを事前に所轄の行政庁に確認しておくことを強くおすすめします。

確認が終わったら――JWセンター講習の受講予約を

 上記3つの整理ができたら、次に着手すべきは公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の新規講習会への申込みです。許可申請には講習会の修了証が必要であり、これがなければ申請書類が揃いません。講習会は各地で定期開催されていますが、受講枠が早期に埋まることも多く、許可取得のスケジュールはこの受講日を起点に逆算して組み立てることになります。まずは開催日程を確認し、早めに申し込んでおくことが肝心です。

 「どこから手をつければいいかわからない」という段階であっても、まず自社の状況を3つの視点で整理してみることが、許可取得への着実な第一歩になります。焦らず、一つひとつ順を追って進めていきましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。